2018年11月10日~社会変革実験台~
このブログはメールマガジン「与贈工房通信」を発行している「与贈工房」メンバー“佐藤さわ”が編集後記として書いたものを転載しています。 |
編集後記
与贈工房の佐藤さわです。
2年前に、宮城県仙台市の都市部から、郊外の田舎町に移住した私は、
「経済至上主義経済の歯車のひとつになるのをやめる」という決意をして、
自らを「社会変革実験台」と称して、
「お金を感謝と応援にだけ使う」という実験を開始しました。
実験は、細々とではありますが今も続いていて、
お金を使うときは、常に感謝と応援を意識して使っています。
そして、いま私は、私個人と同じように、
「感謝と応援を意識する組織」である与贈工房の一員になりました。
私たち与贈工房は、自分たちだけのお金儲けを考えていません。
2年前に実験を始めたとき、私は孤独でしたが、
今は、一緒に働いている与贈工房の仲間たちがいます。
完全リモートワーク組織の与贈工房ですので、
またリアルにはお会いしたことのないかたも多いのですが、
みんな「与贈したい」という気持ちにあふれた素晴らしい仲間たちです。
正直なところ、実験はなかなか思うように進まず、
メンバーが経済的に困窮する事態にも直面しています。
でも、私たちは孤独ではないし、この道にすべてを賭けているので、
くじけずに実験を続けます。
いろいろな事情から、自らの生活を実験にはできないみなさま、
私たちが代わりに実験しています。
どうか応援してくださいね。
メルマガ原文
「カオスは世界をサーチする力を持っている」
田原です。
僕は、マーケティングの基本となる考えは、
孫子の兵法のこの言葉に尽きていると思います。敵を知り、己を知れば、百戦危うからず
世界の一部として生きることと、
自分を生きることとを、
どうやって調和させればいいのか?世界について学ぶことと、
自分の内なる声に耳を傾けることとを行き来しながら、
それらが調和していくところを探していくと
道が切り開かれていく感覚があります。一度、調和に至っても、
自己変容が起こってしまうと、
自分と世界とが不一致を起こしてしまい、
再び調和するところを探していかなければならなくなります。このときに難しいのは、
自己変容が起こってしまうと、
自分自身が何者かが分からなくなってしまうことです。自分が何者だか分からない
だから、世界とどうやって調和するかもわからない。
カオスの海に突入してしまいます。2011年の東日本大震災の後の私は、
まさにそんな感じでした。2011年の3月までは、
「微積分を使って高校物理を分かりやすく教える予備校講師」
というように自己ブランディングして、
リアルの予備校でも、運営していたネット予備校でも、
自分と世界との調和を見出し、仕事がうまくいっていました。しかし、
「何かがおかしい!このままじゃだめだ!」
という内なる声に突き動かされるように、
予備校講師の仕事を辞めて海外移住。
ネット予備校の仕事も嫌になって募集しなくなり・・・
ひたすら、かつての自分を破壊しまくる日々。家族を養っていかなければならないし、
子どもの学費を稼がないといけないのに、
毎月10万円ずつペイフォワードすることを1年間続けたり。今から考えると、
うぉおおおおおおおおおおおおおお
と叫びながら、ちゃぶ台をひっくり返して回っていたような日々でした。 それで、疲れ切って前のめりに倒れてしまったときに、
ずっと個人で仕事をしてきたけど、
想いを同じくする人たちと一緒にチームでやりたいって思って、
与贈工房ができました。集まったのはいいけれど、
私たちとは何者なのか?
何をするために集まったのか?何となく思い浮かんでいる言葉は、
社会変革とか、パラダイムシフトだけど、
それでどうやって生きていくのか?グラレコしてもらいながらインタビューしてもらったり、
人生を振り返ってストーリーテリングしてみたり、
もう一度、変容後の自分自身とは何者なのかを捉えなおすところから始まり、
一度、すべてをアウトプットしようと決意を固め、
自分の一番のコアである「自己組織化」を軸にして、
のろしを上げようということで始めたのが、
「自己組織化するコミュニティの作り方」でした。ターゲットが誰かとか、全く考えずにはじめた非常識な講座に、
においを嗅ぎつけた100名が集まって来てくれたおかげで
変容後の自分と世界との新たな関係性を築きなおすヒントを得られました。 自分自身とは何者なのか?
与贈工房とは何者なのか?
私たちは世界の中で何を成し遂げられるのか?
世界の中で私たちを必要としている人たちは誰なのか?全くのカオスだった2年前に比べて、
徐々にピントが合ってきています。カオスが大きく広がり、
ゆっくりとピントが合ってくるほど、
広い範囲を探索することができ、
本質的な部分で調和できるのだと感じています。私の恩師で、カオス理論の大家である相澤洋二先生は、
私が家庭の事情で大学院を中退するときに、次の言葉をかけてくれました。 「田原さん、カオスには世界をサーチする力があるんですよ。」
この言葉は、その後、8年間続いた30代の人生のカオスを乗り越
えるときに、
大きな力になりました。そして、震災後に始まった、40代の人生のカオスを乗り越えると
きにも、
大きな力になっています。カオスを恐れなければ、
カオスの力を借りることができ、
より本質的に生きられるようになると、
私は思っています。与贈工房通信を読んで、感じたことを、ぜひ、このメルマガの返信
で教えてください。
それが、世界からのフィードバックとなって、
ピントを合わせていく作業の大きな助けになります。